1872年 、ロンドンで知り合ったデュラン=リュエルはモネの作品29点を9,800フランで購入しています。この画商は以後継続的にモネの作品を購入するようになり、モネの生活はようやく安定し、生涯最良の日々をこの地で過ごすこととなります。
アルジャントゥイユのモネの庭 (Le Jardin de Monet à Argenteuil )
クロード・モネ 1872年
W 286
キャンバスに油彩 61 x 82 cm
ナショナル・ギャラリー ワシントン
解像度の悪いこの絵の画像を見たときはダリアの群生から受ける印象があまりにも強烈で、「全体的なバランスが悪い絵 だな。」という印象が強く、平凡な絵だと思っていました。
しかし、今回掲載した画像を見た瞬間、この絵に対する私の印象は一変しました。右半分の鮮やかに咲き誇るダリアの群生の近景と、仲睦まじい男女やモネの家等が描かれた遠景、そして、雲に覆われどんよりした空が見事に融合した、「モネにしか描けない絵だ。」と思うようになりました。
庭 (Le Jardin)
クロード・モネ 1872年
W 341
キャンバスに油彩 64 x 81 cm
個人収蔵
リラの木、曇り (Les Lilas, temps gris)
クロード・モネ 1872年
W 203
キャンバスに油彩 48 x 64 cm
オルセー美術館 パリ
太陽を浴びるリラの木 (Lilas au soleil)
クロード・モネ 1872年
W 204
キャンバスに油彩 50 x 65 cm
プーシキン美術館 モスクワ
この作品はロシアに初めてもたらされたモネの絵で、デュラン=リュエルから収集家シチューキンが購入しました。
アルジャントゥイユの画家の家 (La Maison de l'artiste à Argenteuil)
クロード・モネ 1873年
W 284
キャンバスに油彩 60 x 74 cm
シカゴ美術館
フープで遊んでいるジャンをカミーユが玄関で見守っています。咲き誇る庭の花々が気持ちを明るく爽やかにしてくれます。
作品中、目を引く大きな鉢は、ケルン(仏語:de Cologne)と呼ばれるオランダ製の陶器です。白地にデルフトブルーと呼ばれる青色で模様が描かれたこの陶器は、中国・ペルシャや日本の伊万里焼などの影響を受け、独自に発展していきました。
この鉢は1971年にオランダを訪れた際に購入したもので、モネの他の作品にも頻繁に現れ、モネのお気に入りだったようです。
昼食 (Le Déjeuner)
クロード・モネ 1873年
W 285
キャンバスに油彩 162 x 203 cm
オルセー美術館 パリ
作品の上部は風景画風に、下部は静物画風に描かれ、ジャンが右下隅でおもちゃで遊んでいたり、色々なモチーフが点在していて、眼の焦点があちこちに行ってしまう不思議な絵です。
しかし、描いているのがモネですから、特別な意図はなく、花盛りの庭を感性の赴くままに描いた作品だと私は思います。
アルジャントゥイユのモネの庭で絵を描くマネ (Manet peignant dans le jardin de Monet à Argenteuil)
クロード・モネ 1874年
W 342
キャンバスに油彩
個人収蔵
ダリアの群生の中の若い女達 (Jeunes Filles dans un massif de dahlias)
クロード・モネ 1875年
W 383
キャンバスに油彩 46 x 65 cm
ナショナル・ギャラリー プラハ
庭で (Dans le Jardin)
クロード・モネ 1875年W 384
キャンバスに油彩 76 x 101 cm
出典 www.flickr.com オリジナル(1023×759, 282 KB)
アルジャントゥイユの庭の日傘の女 (La Femme à l'ombrelle au jardin d'Argenteuil)
クロード・モネ 1875年
W 385
キャンバスに油彩 75 x 100 cm
アルジャントゥイユの家の庭 Ⅱに続きます。