ヨーロッパ橋、サン・ラザール駅 (Le Pont de l'Europe, gare Saint-Lazare)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1877年
W 442
キャンバスに油彩 64 x 81 cm
マルモッタン美術館 パリ
本作にはカイユボットが描いたヨーロッパ橋が画面右側に描かれています。カイユボットの作品「ヨーロッパ橋」を下記に示します。
ヨーロッパ橋 (Le Pont de L'Europe)
ギュスターヴ・カイユボット 1882年
キャンバスに油彩 124×180 cm
プティ・パレ美術館 パリ
この絵で先ず目を引くのは急激な遠近法を用いた写真的で斬新な構図です。モネとは違い写実的な描写で鉄橋や人物を描いていますが、今見ても新鮮な印象を受けます。
また、着飾ったブルジョアと思われる左側の男女と鉄橋からサン・ラザール駅を見下ろしている労働者階級の男性を対比させ、急激に発展するパリの二面性を表現していると考えている人も居るようです。
マネも独自の視点でサン・ラザール駅を描いているので下記に示します。
鉄道 (Le chemin de fer)
エドゥアール・マネ 1873年
キャンバスに油彩 93×114 cm
ナショナル・ギャラリー ワシントン
マネも鉄道に興味を抱いていたようで、彼のバチニョールのアトリエのすぐ近くにあったサン・ラザール駅をモチーフにした絵を描いています。
しかし、マネの場合は、鉄道というテーマを、鉄格子越しに眺めている少女の背中越し描かれた機関車の蒸気や、右端上部に描かれたヨーロッパ橋を描く事によって表現しています。
また、無関心の体で佇んでいる女性も、とても興味深いです。 この作品は当時の批評家の評判はあまり良くなかったようですが、何となく分かるような気がします。
モネは蒸気によって多様な姿を見せるサン・ラザール駅を、カイユボットは自身の属するブルジョア階級独自の目線でヨーロッパ橋を、マネは「近代文明と人との関わりあい。」という視点から鉄道を、三者三様に急速に近代化するパリの姿を絵画という形で表現しています。
サン・ラザール駅構外、日光の効果 (Extérieur de la gare Saint-Lazare, effet de soleil)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1877年
W 443
キャンバスに油彩 60 x 80 cm
個人収蔵
サン·ラザール駅構外、列車の到着 (Extérieur de la gare Saint-Lazare, arrivée d'un train)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1877年
W 444
キャンバスに油彩 60 x 72 cm
個人収蔵
サン・ラザール駅の出発の光景 (Les Voies à la sortie de la gare Saint-Lazare)
解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆
クロード・モネ 1877 年
W 445
キャンバスに油彩 60 x 80 cm
ポーラ美術館 箱根
サン·ラザール駅、構外の景色 (La Gare Saint-Lazare, vue extérieure)
解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1877年
W 446
キャンバスに油彩 60 x 80 cm
個人収蔵
サン·ラザール駅、構外の景色
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1877年
W 447
キャンバスに油彩 64 x 81 cm
個人収蔵
サン·ラザール駅構外 (La Gare Saint-Lazare à l'extérieur)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆
クロード・モネ 1877年
W 448
キャンバスに油彩 65 x 81 cm
ニーダーザクセン州立博物館 ハノーファー
バティニョールのトレンチ (La Tranchée des Batignolles)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1877年
W 449
キャンバスに油彩 38 x 46 cm
以上で「サン・ラザール駅の連作」のシリーズを終わります。