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2012年12月10日月曜日

カミーユ(モネ夫人)がモデルの人物画 Ⅱ


カミーユ(モネ夫人)がモデルの人物画 Ⅰの続きです。


死の床のカミーユ・モネ (Camille Monet sur son lit de mort)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1736, 827 KB)

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★★

クロード・モネ 1879年
W 543
キャンバスに油彩  90 x 68 cm
オルセー美術館 パリ


もともと病弱だったカミーユは1878年に次男を出産するも、産後の肥立ちが悪く、翌年9月5日に亡くなりました。

また、亡くなった時の家庭内の環境がとても複雑でした。1978年9月、モネのパトロンだったが、事業に失敗し失踪中だったオシュデの妻、アリス・オシュデが子供6人を連れヴェトゥイユの家に身を寄せてきのです。

2つの家族とも困窮状態で、モネも2人の子供と病気の妻を抱えていては絵の制作もままならなかったでしょうから、オシュデ夫人に子供と妻の世話をしてもらい、自分は仕事に打ち込む事ができ都合が良かったのかもしれません。

初めは 2~3ヶ月の予定でしたが、結果的に3年間、2つの家族はヴェトゥイユで同居することになりました。真偽の程は定かではありませんが、オシュデ夫人とモネは以前から不倫関係の噂があり、カミーユもそのことを知っていたという話があります。

モネも、この奇妙な同居生活を解消しようとは試みたようですが、解決しないままにカミーユは亡くなってしまいました。

上記の「死の床のカミーユ・モネ」は、私には安らかに眠っているように最初は見えましたが、今はただ、「安らかな気持ちで最期を迎えていて欲しい。」と祈るばかりです。

モネがカミーユが亡くなった後、ド・ペリオ医師に当てた手紙には「哀れな妻は、今朝この世を去りました。かわいそうな子どもたちと私だけになり、まったく途方にくれています。あなたにひとつお願いしたいことがあるのです。質屋に行って、ペンダントを出して来てほしいのです。質札はお送りします。それは妻にとって唯一の思い出の品で、首にかけてやりたいのです。」と綴られています。


「カミーユに関連するモネの年譜 Ⅱ」


1874年夏 家賃を滞納したため、家の立ち退きを迫られ、マネの紹介ですぐ近くの家に移る。モネ、ルノワール、マネの3人はアルジャントゥイユで一緒に制作し、その折、マネとルノアールは、カミーユとジャンが庭でくつろぐ姿をほぼ同じ構図で描いている。

1875年7月 カミーユが病気(結核)になる。

1878年1月20日 モネはマネ、ド・ペリオ、カイユボットから借金をして、滞った家賃を支払ってアルジャントゥイユの家を引き払う。パリのユダンプール28番地に移り、その後、ヴェトゥイユに住む。

1878年3月17日 カミーユの両親の家で、次男ミシェルが生まれる。

1878年9月 セーヌ川下流の小さな村ヴェトゥイユに家を借りて住む。オシュデ夫人が娘4人、息子2人を連れて身を寄せ、12人の大家族となる。

1897年9月 産後の肥立ちが悪かったカミーユが、32才の若さで逝去する。


庭のカミーユ、ジャンと乳母と共に (Camille au jardin, avec Jean et sa bonne)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×980, 456 KB) ※ 2013/03/12 更新

解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1873年
W 280
キャンバスに油彩 59 x 79 cm
個人収蔵

モネがアルジャントゥイユで最初に住んだ家で制作された絵です。


ベンチ (Le Banc)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×997, 1308 KB) ※ 2013/03/12 更新

解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★

クロード・モネ 1873年
W 281
キャンバスに油彩 60 x 80 cm

この絵にはエドゥアール・マネとカミーユが描かれています。


アルジャントゥイユの庭のカミーユとジャン・モネ (Camille et Jean Monet au jardin d'Argenteuil)

Lサイズ(956×1280, 543 KB) オリジナル(1320×1768, 1099 KB) ※ 2013/03/12 更新

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1873年
W 282
キャンバスに油彩 131 x 97 cm


窓辺のカミーユ・モネ (Camille Monet a la fenetre)

出典 www.flickr.com Lサイズ(1053×1280, 483 KB) オリジナル(1400×1701, 732 KB) ※ 2013/03/12 更新

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★★

クロード・モネ 1872年
W 287
キャンバスに油彩 60 x 49 cm
リッチモンド美術館


アパートのコーナー (Un Coin d'appartement)

出典 www.flickr.com Lサイズ(958×1280, 435 KB) オリジナル(1320×1764, 983 KB) ※ 2013/03/12 更新

解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★

クロード・モネ 1875年
W 365
キャンバスに油彩 80 x 60 cm
オルセー美術館 パリ

モネがアルジャントゥイユで移り住んだ二番目の家の屋内を、ベランダから、カミーユとジャンを配して描いています。


手仕事をしているカミーユ (Camille au metier)

     クロード・モネ 1875年
     W 366
     キャンバスに油彩 65 x 55 cm
     バーンズ・コレクション フィラデルフィア
      

Lサイズ(1037×1280, 596 KB)

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★☆☆

カミーユをモネのアルジャントゥイユの二番目の家のベランダから、描いています。ルノアールは同じ年、同じ場所で モネの肖像画を制作しています。


庭のカミーユ・モネと子供 (Camille Monet et un enfant au jardin)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1123, 669 KB) ※ 2013/09/01 更新

解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★

クロード・モネ 1875年
W 382
キャンバスに油彩 55 x 66 cm
ボストン美術館


モネの作品所蔵数が世界第2位のボストン美術館にある作品11点の中で最も人気のある作品です。この絵が描かれたのは、モネがアルジャントゥイユで二番目に移り住んだ家の庭で、サン・ドニ通りに面していました。

背景にはダリアが咲き誇り、ストライプのモダンな服装をしたカミーユが針仕事する傍らで、幼子が絵本を読んでいる、何とも微笑ましい光景が描かれて、観るものを幸せにしてくれます。


ラ・ジャポネーズ (La Japonaise)

出典 www.flickr.com Lサイズ(763×1280, 300 KB) オリジナル(1320×2215, 920 KB) ※ 2013/03/12 更新

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1875年
W 387
キャンバスに油彩 231 x 142 cm
ボストン美術館


モネは本作を「只のがらくた、ほんの気まぐれに描いた作品」としています。私も、今作品はモネの画家としての一貫した思想から外れている作品だと思います。しかし、この絵は2,000フランもの高額で売却されました。


緑の日傘を持つカミーユ (Camille a l'ombrelle verte)

出典 www.flickr.com Lサイズ(935×1280, 375 KB) オリジナル(1320×1807, 744 KB) ※ 2013/03/12 更新

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1876年
W 413
キャンバスに油彩 81 x 60 cm
  

菫の花束を持つカミーユの肖像 (Portrait de Camille au bouquet de violettes)

出典 www.flickr.com オリジナル(1206×1600, 1504 KB)

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1877年
W 436
キャンバスに油彩 116 x 88 cm


以上でカミーユ(モネ夫人)がモデルの人物画のシリーズを終わります。

2012年12月9日日曜日

カミーユ(モネ夫人)がモデルの人物画 Ⅰ


カミーユ・モネの線描

オリジナル(733×1029, 238 KB)

ほぼ間違いなくモネの描いたデッサンだと言われているものです。


「カミーユに関連するモネの年譜 Ⅰ」


1865年3月 カミーユと知り合い同棲を始める。

1866年4月  パリ郊外のセーヴルに家を借りて住む。この家でカミーユだけをモデルに4人の女達の「庭の女たち」を制作する。

1866年夏 セーヴルを去ってノルマンディーに向かい、サン・タドレスとオンフルールに滞在する。オンフルールではホテル、シュヴァル=ブランに部屋を借りる。

1866年2月 オンフルールを離れ、パリのヴィスコンティ街に住むバジールの所に、ルノアールと共にしばらく身を寄せる。

1867年8月8日 カミーユが第一子の長男ジャンを生む。しかし、モネは生活費を切り詰めるために、カミーユとジャンをパリに残し、一人サン・タドレスの叔母の家に滞在していた。

1868年5月 パリ郊外のベンヌクールに部屋を借り 、カミーユとジャンと共に落ち着く。

1869年夏 カミーユ、ジャンと共にノルマンディーのフェカンに行き、制作する。

1869年4月 モネを支援していたルカードル伯母との関係が悪化し、パリに戻る。

1869年夏 ブージヴァルで制作し、そのすぐ隣りの小さな部落サン=ミシェルの農家で生活する。

1869年秋 エトルタ、ル・アーヴルに出かけ、サン・ミッシェルのカミーユのもとに戻る。両親は頑なに援助を拒み続けている。

1870年6月26日 カミーユと正式に結婚。4人の立会人の中にはクールベの姿もあった。

1870年9月 ブーダンにカミーユに託し、モネは徴兵を逃れてロンドンに発つ。

1871年秋 パリに戻る。

1872年秋 マネの援助で、アルジャントゥイユの小さな家に移る。


カミーユと小さな犬 (Camille au petit chien)

出典 www.flickr.com Lサイズ(920×1280, 286 KB) オリジナル(1320×1837, 527 KB) ※ 2013/03/07 更新

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1866年
W 64
キャンバスに油彩 73 x 54 cm
個人収蔵


緑衣の女性 (La Femme a la robe verte)

出典 www.flickr.com Lサイズ(890×1280, 220 KB) オリジナル(1320×1899, 741 KB) ※ 2013/03/07 更新

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1866年
W 65
キャンバスに油彩 231 x 151 cm
ハンブルグ市立美術館

「草上の昼食」の制作がサロンへの出品に間に合わず、急遽、当時交際中だったカミーユをモデルに、わずか4日間で制作され、サロンで入選を果たした作品です。

「草上の昼食」は、ピクニックに興じる人々を460 x 600 cmという大キャンバスに大胆なタッチで描き、戸外の光を生かして、人々の闊達な情景を描こうとした意欲作でした。

しかし、本作は、髪飾りを気にして後ろを振り返る自然な仕草や、細部まで緻密に描きこまれたドレスの質感が評価され入選しています。

今までにない新しい表現技法で大作を発表し、人々の注目を浴びて成功を収めようとするも、間に合わないと見るや、急場しのぎでサロン入選する作品を描いてしまうモネには感服してしまいます。


庭の女たち (Femmes au jardin)

出典 www.flickr.com Lサイズ(1034×1280, 468 KB) オリジナル(1320×1634, 789 KB) ※ 2013/03/07 更新

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1866年
W 67
キャンバスに油彩 256 x 208 cm
オルセー美術館 パリ

モネは再び、戸外制作における人物画の新しい試みとして、流行の衣装をまとった4人の少女たちが庭で楽しそうに戯れている様子を描きました。

ほぼ同じ構想で描かれ未完に終わった「草上の昼食」は、あまりにもサイズが大きかったため、スケッチを戸外で描いて、アトリエで描き直していましたが、本作は終始一貫して戸外で描いています。

それでも縦が2メートル以上もある大作なので、上部は地面に穴を掘り、滑車で吊るして描いたようです。また、光に徹底的に拘り、太陽が雲に隠れている間は断固として筆を入れず、それは背景を描く時でさえも徹底していました。

また、この絵には斬新な手法が多数見うけられます。影にも決して完全な黒は用いていません。木漏れ日など、筆触分割が多用されています。日傘をさしている女性の顔は、衣装から反射した光で青白く塗られている部分がありますが、顔に班をつけることは従来の常識から外れています。

半年がかりで制作し、意気揚々とサロンに出品したであろうこの作品は落選してしまいます。とても華やかな魅力的な絵ではありますが、現在でも、あまり評価が高くありません。

4人の女性のモデルすべてをカミーユが務めているため、さすがのモネでも、絵に統一感を持たせることに完全に成功できていないようです。

サロンで落選し、困窮したモネを見かねたバジールは2,500フランという高額でこの絵を購入し、月々50フランの分割払いで支払うことを約束し、同志を援助しました。


午餐 (Le Dejeuner)

出典 www.flickr.com Lサイズ(840×1280, 252 KB) オリジナル(1320×2012, 531 KB) ※ 2013/03/07 更新

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1868 年
W 132
キャンバスに油彩 230 x 150 cm
シュテーデル美術館 フランクフルト


トゥルーヴィルの浜辺で (Sur la Plage de Trouville)

   クロード・モネ 1870年
   W 158
   キャンバスに油彩 38 x 46 cm
   ナショナル・ギャラリー ロンドン
      

Lサイズ(1280×1042, 294 KB) オリジナル(1630×1327, 225 KB)

解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★☆☆☆


トゥルーヴィルの浜辺に座ったカミーユ (Camille assise sur la plage a Trouville)

オリジナル(832×1016, 199 KB)

クロード・モネ 1870年
W 159
キャンバスに油彩 45 x 36 cm

解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆


トゥルーヴィルの浜辺のカミーユ (Camille sur la plage de Trouville)

   クロード・モネ 1870年
   W 160
   キャンバスに油彩 38 x 47 cm

Lサイズ(1280×1051, 346 KB) オリジナル(1800×1478, 820 KB)

解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★☆☆☆


浜辺のカミーユ (Camille sur la plage)

     クロード・モネ 1870年
     W 161
     キャンバスに油彩 30 x 15 cm
     
      

オリジナル(498×1035, 175 KB)

解像度: ★☆☆☆☆ おすすめ度: ★☆☆☆☆


読書 (La Liseuse)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1008, 440 KB)

解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★ 

クロード・モネ 1872年
W 205
キャンバスに油彩 50 x 65 cm
ウォルターズ美術館 ボルチモア

この習作の主題は読書をしている女性をうまく描くことではなく、「木漏れ日を絵の具を混ぜずに軽く叩く手法をもちいて、いかに表現するか。」にあります。


赤い頭巾、モネ夫人の肖像 (La Capeline rouge, portrait de Madame Monet)

オリジナル(1200×1494, 929 KB)

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1872年
W 257
キャンバスに油彩 100 x 80
クリーブランド美術館

この作品でまず視線が行くのが、カミーユが身に着ける鮮やかな赤い頭巾と外套です。そして、雪の降りしきる中、カミーユが憂いのある表情で屋内に視線向けていることに気づき、「何かあったんだろうか。」と心配になります。

本作はモネが生涯手放さなかった作品の一つだということもあり、「この時期、二人の関係に何か異変があったのではないか。」とつい勘ぐってしまいます。


カミーユ(モネ夫人)がモデルの人物画 Ⅱに続きます。