エプト川のポプラ並木 (Peupliers sur les bords de l'Epte)
解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1891年
W 1310
キャンバスに油彩 81 x 82 cm
スコットランド国立美術館 エディンバラ
「関連年譜」
1891年（当時51歳）春～秋 ジヴェルニー自宅近くのエプト川沿いの「ポプラ並木の連作」に取り組む。
1892年（当時52歳）2月29日～3月10日 パリのデュラン=リュエル画廊で「ポプラ並木の連作」6点を含む個展を開催。
モネは、光の戯れと反映を深く探求し、同一のモティーフを季節、時刻、気象条件あるいは構図を変えて何度も描くという形での連作を多数残しています。
モネの連作は「積みわらの連作」から始まり、次に、モネのジヴェルニーの家から数マイルの距離にあるセーヌ川支流のエプト川 沿いの「ポプラ並木の連作」の制作に着手しました。
本連作は1891年春に制作が開始され、同年の秋まで全23作品を驚異的な速さで完成させました。様々な条件下、多彩な光を浴びたポプラ並木が描き分けられています。
この連作で描かれているポプラ並木は河道の堤防として機能していましたが、本来は材木用として植えられたもので、1891年に議会で伐採計画が可決されると、困ったモネは本連作を完成させるため、ある材木商に落札予定価格を上回った差額分をモネが支払うという条件で落札してもらい、並木の共同保有者となることで伐採を延期させました。モネの画家として描きたいものに対する執着心に恐れ入ると同時に、そこまで出来る人であったからこそ、現在の印象派の巨匠としての評価があるのだと思います。
ポプラは1789年フランス革命、1848年二月革命において、自由で伸びやかな市民活動の象徴であったため、モネは本連作を母国の復興のシンボルとして制作したとする説があります。
「ポプラ並木連作」は、1892年にデュラン=リュエル画廊で展示された際、6作品が出展され喝采を浴びました。現在では世界中に散り散りになってしまっている本連作、全23作品を並べて鑑賞した時の連続効果を是非、本ブログ「モネlog」で体感して下さい。
下記に「ポプラ並木の連作」には含まれませんが、非常に関連性が強い、本連作の4年前に描かれた2作品を掲載しましたので先ずはご覧ください。
ジヴェルニーのポプラ並木 (Peupliers à Giverny)
解像度: ★★★★☆ 解像度: ★★★★★
クロード・モネ 1887年
W 1155
キャンバスに油彩 73 x 92 cm
ボストン美術館
ジヴェルニーのポプラ並木 (Les Peupliers à Giverny)
解像度: ★★★★☆ 解像度: ★★★★★
クロード・モネ 1887年
W 1156
キャンバスに油彩 73 x 92 cm
ニューヨーク近代美術館
ジヴェルニー近郊のポプラ並木、曇天 (Peupliers près de Giverny, temps couvert)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1891年
W 1291
キャンバスに油彩 92 x 73 cm
MOA美術館 熱海
エプト川のポプラ並木、夕方の効果(Peupliers au bord de l'Epte, effet du soir)
解像度: ★★★★☆ 解像度: ★★★★★
クロード・モネ 1891年
W 1292
キャンバスに油彩 100 x 65 cm
個人収蔵
ポプラ並木 (Rangée de peupliers)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆
クロード・モネ 1891年
W 1293
キャンバスに油彩 100 x 65 cm
個人収蔵
エプト川のポプラ並木、日没の効果 (Peupliers au bord de l'Epte, effet de soleil couchant )
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆
クロード・モネ 1891年
W 1294
キャンバスに油彩 100 x 65 cm
個人収蔵
ポプラ並木、日没 (Peupliers, coucher de soleil)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1891年
W 1295
キャンバスに油彩 102 x 62 cm
個人収蔵
エプト川のポプラ並木、黄昏 (Peupliers au bord de l'Epte, crépuscule)
解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1891年
W 1296
キャンバスに油彩 100 x 65 cm
ボストン美術館
「ポプラ並木の連作」自由の象徴 Ⅱに続きます。
0 件のコメント:
コメントを投稿