死の床のカミーユ・モネ (Camille Monet sur son lit de mort)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1879年
W 543
キャンバスに油彩 90 x 68 cm
オルセー美術館 パリ
もともと病弱だったカミーユは1878年に次男を出産するも、産後の肥立ちが悪く、翌年9月5日に亡くなりました。
また、亡くなった時の家庭内の環境がとても複雑でした。1978年9月、モネのパトロンだったが、事業に失敗し失踪中だったオシュデの妻、アリス・オシュデが子供6人を連れヴェトゥイユの家に身を寄せてきのです。
2つの家族とも困窮状態で、モネも2人の子供と病気の妻を抱えていては絵の制作もままならなかったでしょうから、オシュデ夫人に子供と妻の世話をしてもらい、自分は仕事に打ち込む事ができ都合が良かったのかもしれません。
初めは 2~3ヶ月の予定でしたが、結果的に3年間、2つの家族はヴェトゥイユで同居することになりました。真偽の程は定かではありませんが、オシュデ夫人とモネは以前から不倫関係の噂があり、カミーユもそのことを知っていたという話があります。
モネも、この奇妙な同居生活を解消しようとは試みたようですが、解決しないままにカミーユは亡くなってしまいました。
上記の「死の床のカミーユ・モネ」は、私には安らかに眠っているように最初は見えましたが、今はただ、「安らかな気持ちで最期を迎えていて欲しい。」と祈るばかりです。
モネがカミーユが亡くなった後、ド・ペリオ医師に当てた手紙には「哀れな妻は、今朝この世を去りました。かわいそうな子どもたちと私だけになり、まったく途方にくれています。あなたにひとつお願いしたいことがあるのです。質屋に行って、ペンダントを出して来てほしいのです。質札はお送りします。それは妻にとって唯一の思い出の品で、首にかけてやりたいのです。」と綴られています。
「カミーユに関連するモネの年譜 Ⅱ」
1874年夏 家賃を滞納したため、家の立ち退きを迫られ、マネの紹介ですぐ近くの家に移る。モネ、ルノワール、マネの3人はアルジャントゥイユで一緒に制作し、その折、マネとルノアールは、カミーユとジャンが庭でくつろぐ姿をほぼ同じ構図で描いている。
1875年7月 カミーユが病気(結核)になる。
1878年1月20日 モネはマネ、ド・ペリオ、カイユボットから借金をして、滞った家賃を支払ってアルジャントゥイユの家を引き払う。パリのユダンプール28番地に移り、その後、ヴェトゥイユに住む。
1878年3月17日 カミーユの両親の家で、次男ミシェルが生まれる。
1878年9月 セーヌ川下流の小さな村ヴェトゥイユに家を借りて住む。オシュデ夫人が娘4人、息子2人を連れて身を寄せ、12人の大家族となる。
1897年9月 産後の肥立ちが悪かったカミーユが、32才の若さで逝去する。
庭のカミーユ、ジャンと乳母と共に (Camille au jardin, avec Jean et sa bonne)
解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆
クロード・モネ 1873年
W 280
キャンバスに油彩 59 x 79 cm
個人収蔵
モネがアルジャントゥイユで最初に住んだ家で制作された絵です。
ベンチ (Le Banc)
解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1873年
W 281
キャンバスに油彩 60 x 80 cm
この絵にはエドゥアール・マネとカミーユが描かれています。
アルジャントゥイユの庭のカミーユとジャン・モネ (Camille et Jean Monet au jardin d'Argenteuil)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1873年
W 282
キャンバスに油彩 131 x 97 cm
窓辺のカミーユ・モネ (Camille Monet a la fenetre)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1872年
W 287
キャンバスに油彩 60 x 49 cm
リッチモンド美術館
アパートのコーナー (Un Coin d'appartement)
解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1875年
W 365
キャンバスに油彩 80 x 60 cm
オルセー美術館 パリ
モネがアルジャントゥイユで移り住んだ二番目の家の屋内を、ベランダから、カミーユとジャンを配して描いています。
手仕事をしているカミーユ (Camille au metier)
クロード・モネ 1875年W 366
キャンバスに油彩 65 x 55 cm
バーンズ・コレクション フィラデルフィア
Lサイズ(1037×1280, 596 KB)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★☆☆
カミーユをモネのアルジャントゥイユの二番目の家のベランダから、描いています。ルノアールは同じ年、同じ場所で モネの肖像画を制作しています。
庭のカミーユ・モネと子供 (Camille Monet et un enfant au jardin)
解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1875年
W 382
キャンバスに油彩 55 x 66 cm
ボストン美術館
モネの作品所蔵数が世界第2位のボストン美術館にある作品11点の中で最も人気のある作品です。この絵が描かれたのは、モネがアルジャントゥイユで二番目に移り住んだ家の庭で、サン・ドニ通りに面していました。
背景にはダリアが咲き誇り、ストライプのモダンな服装をしたカミーユが針仕事する傍らで、幼子が絵本を読んでいる、何とも微笑ましい光景が描かれて、観るものを幸せにしてくれます。
ラ・ジャポネーズ (La Japonaise)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1875年
W 387
キャンバスに油彩 231 x 142 cm
ボストン美術館
モネは本作を「只のがらくた、ほんの気まぐれに描いた作品」としています。私も、今作品はモネの画家としての一貫した思想から外れている作品だと思います。しかし、この絵は2,000フランもの高額で売却されました。
緑の日傘を持つカミーユ (Camille a l'ombrelle verte)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆
クロード・モネ 1876年
W 413
キャンバスに油彩 81 x 60 cm
菫の花束を持つカミーユの肖像 (Portrait de Camille au bouquet de violettes)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1877年
W 436
キャンバスに油彩 116 x 88 cm
以上でカミーユ(モネ夫人)がモデルの人物画のシリーズを終わります。