モネは、1870年夏の初め、ブージヴァルからトルーヴィルに向かい、ホテル・チヴォリに滞在しました。間もなくブーダンも滞在して、共に海風画を制作しました。
トルーヴィルのロッシュ・ノワール・ホテル (L'Hotel des Roches noires a Trouville)
クロード・モネ 1870年
W 155
キャンバスに油彩 80 x 55 cm
オルセー美術館 パリ
アメリカ、フランス、イギリスの国旗が風になびく中、正装をした紳士、淑女が談笑する姿が、軽妙なタッチで描かれています。各国の国旗があることから、バリ近郊の行楽地が、バリと同様に社交の場としても使われ、開放的な雰囲気の中、商談や外交がなされている様子が想像できます。
トルーヴィルのポートの入り口 (L'Entree du port de Trouville)
クロード・モネ 1870年W 154
キャンバスに油彩 54 x 66 cm
ミュージアム オブ ファインアーツ
ブダペスト
オリジナル(1223×1024, 157 KB)
トルヴィルの浜辺 (La Plage a Trouville)
クロード・モネ 1870年
W 156
キャンバスに油彩 53 x 65 cm
ワズワース・アテネウム美術館
トルヴィルの浜辺 (La Plage a Trouville)
クロード・モネ 1870年
W 157
キャンバスに油彩 48 x 74 cm
トルーヴィルのボードの上で (Sur les Planches de Trouville)
クロード・モネ 1870 年
W 157a
キャンバスに油彩 50 x 70 cm
絵画の戸外制作における師であるブーダンが、同時期に描いた「トルーヴィルの浜辺 」を下記に示します。
トルーヴィルの浜辺 (La plage de Trouville)
ウジェーヌ・ブーダン 1867年
キャンバスに油彩 63 × 89 cm
国立西洋美術館 東京
この頃はまだ、モネの絵と比べて歴然とした違いは見られません。しかし、モネの方が空や人物の描き方が、写実的ではなく、印象に重きを置くものに変わりつつある兆候が見て取れます。
ブーダンはその後、戸外制作の風景画作品を主に、サロンに出品を続け、次第に認められていきます。
一方、モネは、ますますスケッチ的で斬新な印象主義の作品をサロンに出品しますが、評価が得られず、自身で仲間とグループをつくり、無審査の展覧会を開いて作品を発表していくことになります。
トルーヴィルの小屋、干潮 (La Cabane a Trouville, maree basse)
クロード・モネ 1881年
W 686
キャンバスに油彩 60 x 73 cm
ティッセンボルネミッサ美術館 マドリード
トゥルーヴィルの海岸で (Sur la cote a Trouville)
クロード・モネ 1867年
W 687
キャンバスに油彩 60 x 81 cm
ボストン美術館