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2013年4月4日木曜日

「サン・ラザール駅の連作」最初の連作 Ⅱ


「サン・ラザール駅の連作」最初の連作 Ⅰの続きです。


ヨーロッパ橋、サン・ラザール駅 (Le Pont de l'Europe, gare Saint-Lazare)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1067, 477 KB)

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★★

クロード・モネ 1877年
W 442
キャンバスに油彩 64 x 81 cm
マルモッタン美術館 パリ

本作にはカイユボットが描いたヨーロッパ橋が画面右側に描かれています。カイユボットの作品「ヨーロッパ橋」を下記に示します。


ヨーロッパ橋 (Le Pont de L'Europe)

Lサイズ(1280×856, 273 KB) オリジナル(2165×1448, 505 KB)

ギュスターヴ・カイユボット 1882年
キャンバスに油彩 124×180 cm
プティ・パレ美術館 パリ


この絵で先ず目を引くのは急激な遠近法を用いた写真的で斬新な構図です。モネとは違い写実的な描写で鉄橋や人物を描いていますが、今見ても新鮮な印象を受けます。

また、着飾ったブルジョアと思われる左側の男女と鉄橋からサン・ラザール駅を見下ろしている労働者階級の男性を対比させ、急激に発展するパリの二面性を表現していると考えている人も居るようです。

マネも独自の視点でサン・ラザール駅を描いているので下記に示します。


鉄道 (Le chemin de fer)

出典 commons.wikimedia.org Lサイズ(1280×1043, 272 KB) XLサイズ(2560×2086, 1105 KB)

エドゥアール・マネ 1873年
キャンバスに油彩 93×114 cm
ナショナル・ギャラリー ワシントン

マネも鉄道に興味を抱いていたようで、彼のバチニョールのアトリエのすぐ近くにあったサン・ラザール駅をモチーフにした絵を描いています。

しかし、マネの場合は、鉄道というテーマを、鉄格子越しに眺めている少女の背中越し描かれた機関車の蒸気や、右端上部に描かれたヨーロッパ橋を描く事によって表現しています。

また、無関心の体で佇んでいる女性も、とても興味深いです。 この作品は当時の批評家の評判はあまり良くなかったようですが、何となく分かるような気がします。

モネは蒸気によって多様な姿を見せるサン・ラザール駅を、カイユボットは自身の属するブルジョア階級独自の目線でヨーロッパ橋を、マネは「近代文明と人との関わりあい。」という視点から鉄道を、三者三様に急速に近代化するパリの姿を絵画という形で表現しています。


サン・ラザール駅構外、日光の効果 (Extérieur de la gare Saint-Lazare, effet de soleil)

出典 www.flickr.com オリジナル(1070×802, 781 KB)

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1877年
W 443
キャンバスに油彩 60 x 80 cm
個人収蔵


サン·ラザール駅構外、列車の到着 (Extérieur de la gare Saint-Lazare, arrivée d'un train)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1040, 378 KB)

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1877年
W 444
キャンバスに油彩 60 x 72 cm
個人収蔵


サン・ラザール駅の出発の光景 (Les Voies à la sortie de la gare Saint-Lazare)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1005, 475 KB)

解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1877 年
W 445
キャンバスに油彩 60 x 80 cm
ポーラ美術館 箱根


サン·ラザール駅、構外の景色 (La Gare Saint-Lazare, vue extérieure)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×962, 364 KB)

解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★

クロード・モネ 1877年
W 446
キャンバスに油彩 60 x 80 cm
個人収蔵


サン·ラザール駅、構外の景色

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1043, 637 KB)

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1877年
W 447
キャンバスに油彩 64 x 81 cm
個人収蔵


サン·ラザール駅構外 (La Gare Saint-Lazare à l'extérieur)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1044, 587 KB)

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1877年
W 448
キャンバスに油彩 65 x 81 cm
ニーダーザクセン州立博物館 ハノーファー


バティニョールのトレンチ (La Tranchée des Batignolles)

出典 www.flickr.com Lサイズ(1280×895, 285 KB) オリジナル(2000×1398, 547 KB)

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1877年
W 449
キャンバスに油彩 38 x 46 cm


以上で「サン・ラザール駅の連作」のシリーズを終わります。


2013年4月3日水曜日

「サン・ラザール駅の連作」最初の連作 Ⅰ


サン・ラザール駅 (La Gare Saint-Lazare)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×989, 1361 KB)

解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★

クロード・モネ 1877年
W 438
キャンバスに油彩 75 x 100 cm
オルセー美術館 パリ


本作は、蒸気機関車による駅の構内を充満する黒煙と水蒸気にガラスの天井から降り注ぐ光が屈折、反射する事により生まれる多彩な幻想的な雰囲気、構内を行き交う人々の喧騒を、当時としては前衛的な手法での表現を試みた意欲作です。

サン・ラザール駅は1837年に開業したフランス初のターミナル駅です。この駅舎はフランスの技術者ウジェーヌ・フラシャによって設計され、当時の最先端の建築素材であった鉄骨とガラスで構築された屋根が特徴的でした。

当時の人々のとって、サン・ラザール駅は「近代化の象徴」として受け止められ、先進的な印象派の画家たちはこの駅舎をそれぞれの特異な感性で絵のモチーフとしています。


Gare de Saint Lazare: 出典 www.flickr.com by francisco.j.gonzalez


この連作の作成にあたって、モネは公式に許可を取っています。駅長との交渉では一張羅を着込み、当時、画家が政財界の有力者と肖像画の依頼などを通じて関係が深かった既成事実を利用し、あたかもサロンの重鎮であるかのような態度で駅長と接し、まんまと駅舎の絵を描く許可を勝ち取ってしまいます。

当時の実際のモネはといえば、サロンでは落選続きで、サロンへの不満を共有する同志と1874年に開いた第一回印象派展では一部の批評家から散々叩かれるなど、画家としての名声など皆無に等しい状態でした。

駅長はモネの策略にはまり、モネだけのために汽車を予定外の場所に停車させホームまで遮断し、モネの願いに応じて構内を蒸気で充満させるために必要以上に石炭を燃やさせるなど、モネの言いなりです。モネの演技がうまかったのか、駅長が小心者だったのか?

この逸話を後世に伝えたのは、後に映画監督として名を馳せるルノワールの次男ジャンで、以上のような話を友人ルノアールに語ったそうです。


サン·ラザール駅、列車の到着 (La gare Saint-Lazare, arrivée d'un train)

出典 www.flickr.com オリジナル(1024×838, 227 KB)

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1877年
W 439
キャンバスに油彩 82 x 101 cm
ハーバード大学美術館 ケンブリッジ


サン·ラザール駅、ノルマンディーの汽車 (La Gare Saint-Lazare, le train de Normandie)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×975, 373 KB)

解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★★★

クロード・モネ 1877年
W 440
キャンバスに油彩 59 x 80 cm
シカゴ美術館


サン·ラザール駅 (La Gare Saint-Lazare)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×949, 454 KB)

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1877年
W 441
キャンバスに油彩 53 x 72 cm
ナショナル・ギャラリー ロンドン


「サン・ラザール駅の連作」 Ⅱに続きます。

2013年4月1日月曜日

アムステルダムの風景画


オンベケンデ運河の風車 (Le Moulin de l'Onbekende Gracht)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1102, 554 KB)

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★★

クロード・モネ 1874年
W 302
キャンバスに油彩 56 x 65 cm
ヒューストン美術館


モネは1874年(34歳)、二度目のオランダ旅行をし、主にアムステルダムに滞在し作品を残しています。


Is heaven in medium format? 出典 www.flickr.com by kevin dooley


海運、アムステルダム港 (Marine, le port d'Amsterdam)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×847, 282 KB)

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1874年
W 298
キャンバスに油彩 60 x 81 cm
ヤマザキマザック美術館 名古屋


海運、アムステルダム (Marine, Amsterdam)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×847, 282 KB)

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1874年
W 299
キャンバスに油彩 50 x 75 cm
個人収蔵


アムステルダムのゲルデルセカデ、冬 (La Geldersekade à Amsterdam, l'hiver)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×847, 282 KB)

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1874年
W 300
キャンバスに油彩 55 x 65 cm
ボテロ博物館 ボゴタ


アムステルダムの雪 (Neige à Amsterdam)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×847, 282 KB)

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1874年
W 301
キャンバスに油彩 56 x 73 cm
個人収蔵


アムステルダムの景色 (Vue d'Amsterdam)

     クロード・モネ 1874年
     W 303
     キャンバスに油彩 61 x 101 cm
     


オリジナル(1280×797, 314 KB)

解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★☆☆☆


アムステルダム (Amsterdam)

出典 commons.wikimedia.org Lサイズ(1280×945, 316 KB) オリジナル(3360×2481, 4677 KB)

解像度: ★★★★★ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1874年
W 304
キャンバスに油彩 50 x 68 cm
ゴッホ美術館 アムステルダム


ビッネン-アムステル、アムステルダム (Le Binnen Amstel, Amsterdam)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×973, 439 KB)

解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1874年
W 305
キャンバスに油彩 55 x 74 cm
個人収蔵


橋、アムステルダム (Le Pont, Amsterdam)

出典 www.flickr.com オリジナル(1036×829, 161 KB)

解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆

クロード・モネ 1874年
W 306
キャンバスに油彩 53 x 63 cm
シェルバーン博物館


アムステルダムの運河 (Canal à Amsterdam)

出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1089, 593 KB)

解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆

クロード・モネ 1874年
W 219
キャンバスに油彩 55 x 65 cm
フィラデルフィア美術館