解氷 (La Débâcle)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1880年
W 561
キャンバスに油彩 72 x 99 cm
オルセー美術館 パリ
モネの妻、カミーユが亡くなった、1879年から1880年にかけての冬は、稀に見る厳しい寒さに襲われました。その頃彼が住んでいたヴェトゥイユ近郊は雪に覆われ、付近のセーヌ川は完全に凍結してしまいます。1879年の12月には気温がマイナス23度を記録した日もあったそうです。
モネはカミーユが亡くなった後、精神的なショックと天候が悪かったこともあり、室内で作品を制作することが多くなっていました。
そんなモネに転機が訪れます。1880年の1月4日から5日の夜にかけて、完全に凍りついていたセーヌ川の氷が解けて、流氷となって流れ出しました。この突如起こった猛烈な大解氷は、打ちひしがれるがれていたモネの心に火をつけ、戸外での制作活動を再開させる原動力となりました。
解氷という自然現象は生涯、時間とともに移ろいゆく光の表現を探求し続けた画家であるモネにとって、格好のモチーフとなりました。厳寒の中、かじかんだ手で一心不乱に制作に励むモネの様子が、この時期独特の荒々しい筆致から見て取れます。
本作では、流氷が流れるセーヌ川が、ヴェトゥーユから対岸のラヴァクールの方角を見ながら描かれています。そして、この絵は、制作した5ヵ月後の1880年6月にパリで開かれたモネの個展で展示され、主催者である新聞社の主筆の妻、シャルパンティエ夫人によって夫への贈物として買い上げられました。
この個展は盛況で、次第に作品の注文が入るようになり、モネの画家人生は好転して行きます。
霧氷、曇り (Le Givre, temps gris)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆
クロード・モネ 1879-1880年
W 553
キャンバスに油彩 60 x 80 cm
モントセラト博物館
霧氷 (Le Givre)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1879年
W 555
キャンバスに油彩 61 x 100 cm
オルセー美術館 パリ
氷、ラヴァクール (Les Glaçons, Lavacourt)
クロード・モネ 1879年W 556
キャンバスに油彩 50 x 81 cm
個人収蔵
出典 www.flickr.com オリジナル(1000×619, 121 KB)
解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★☆☆☆
冬の太陽、ラヴァクール (Soleil d'hiver, Lavacourt)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★☆
クロード・モネ 1879年
W 557
キャンバスに油彩 55 x 81 cm
マルロー美術館
セーヌ川の冬、ラヴァクール (Hiver sur la Seine, Lavacourt)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆
クロード・モネ 1879年
W 558
キャンバスに油彩 60 x 100 cm
個人収蔵
ヴェトゥイユの風景、解氷 (Vue de Vétheuil, débâcle)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1880年
W 559
キャンバスに油彩 71 x 100 cm
個人収蔵
解氷、曇り (La Débâcle, temps gris)
解像度: ★★★★☆ おすすめ度: ★★★★★
クロード・モネ 1880年
W 560
キャンバスに油彩 68 x 90 cm
グルベンキアン美術館 リスポン
解氷 (La Débâcle)
解像度: ★★☆☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆
クロード・モネ 1880年
W 562
キャンバスに油彩 54 x 65 cm
ダニーデン市立美術館
ラヴァクールの解氷 (La Débâcle à Lavacourt)
解像度: ★★★☆☆ おすすめ度: ★★★☆☆
クロード・モネ 1880年
W 563
キャンバスに油彩 61 x 100 cm
個人収蔵
セーヌ川の凍結と大解氷 Ⅱに続きます。