しかし、モネは先に紹介した「カササギ」を始め、雪景色を重要なモチーフとして絵に取り入れて行きました。
雪のアルジャントゥイユ (Neige à Argenteuil)
クロード・モネ 1874年
W 351
キャンバスに油彩 55 x 65 cm
国立西洋美術館 東京
画面右上の樹氷の微妙な陰影の変化が見事に表現されています。
浮世絵で雪を降らすには、降る雪を彫った版を一枚刷ればよく、簡単に効果的な雪を降らすことができます。従って、浮世絵では雪景色を扱った作品がたくさん残されています。
下記に広重の「東海道五十三次」より「蒲原」を示します。
「東海道五十三次」「蒲原」
歌川広重 1833年頃
木版画
モネが浮世絵からインスピレーションを得て雪景色を重要なモチーフとして用いるようになったと考えている人達がいますが、私も上記の2つ雪景色の絵を見比べているとそれが真実であると思うようになりました。
オルジェマントの風車、雪 (Le Moulin d'Orgemont, neige)
クロード・モネ 1873年W 254
キャンバスに油彩 58 x 81 cm
リッチモンド美術館
出典 www.flickr.com オリジナル(1320×961, 476 KB)
雪解け (Le Dégel)
クロード・モネ 1873年W 255
キャンバスに油彩 55 x 73 cm
個人収蔵
出典 www.flickr.com オリジナル(1320×983, 445 KB)
雪のアルジャントゥイユ (Neige à Argenteuil)
クロード・モネ 1874年
W 348
キャンバスに油彩 57 x 74 cm
ボストン美術館
雪が降っている様子、もしくは天候が動いている様子を描いた絵はモネ達、印象派の画家が現れるまでは、ほとんど描かれていません。当時のヨーロッパの人達にとって、この絵は斬新に写ったことでしょう。
雪のアルジャントゥイユ (Neige à Argenteuil)
クロード・モネ 1874年
W 349
キャンバスに油彩 50 x 65 cm
個人収蔵
池、雪の効果 (La Mare, effet de neige)
クロード・モネ 1874年W 350
キャンバスに油彩 60 x 81 cm
個人収蔵
出典 www.flickr.com オリジナル(1320×999, 522 KB)
雪の中の通り、アルジャントゥイユ (Rue sous la neige, Argenteuil)
クロード・モネ 1875年
W 352
キャンバスに油彩 71 x 91 cm
ナショナル・ギャラリー ロンドン
アルジャントゥイユの冬の効果 (Effet d'hiver à Argenteuil )
クロード・モネ 1875年W 353a
キャンバスに油彩 50 x 75 cm
個人収蔵
出典 www.flickr.com オリジナル(1320×1036, 520 KB)
アルジャントゥイユの散歩道、冬の夕方 (La Promenade d'Argenteuil, un soir d'hiver)
クロード・モネ 1875年
W 354
キャンバスに油彩 59 x 79 cm
個人収蔵
アルジャントゥイユの大通りの入り口、冬 (L'Entrée de la Grande Rue à Argenteuil, l'hiver)
クロード・モネ 1875年
W 355
キャンバスに油彩 55 x 65 cm
リヨン美術館
雪の中の列車、機関車 (Le Train dans la neige, la locomotive)
クロード・モネ 1875年
W 356
キャンバスに油彩 59 x 78 cm
マルモッタン美術館 パリ
アルジャントゥイユの雪景色 Ⅱに続きます 。